戦略的連携:企業とITの運用モデルの統合によるビジネス影響の最大化

急速に進化しているビジネス環境では、運用モデルの順調な統合が不可欠です。ITと企業向け運用モデル(EOM)の要素を連携させることにより、最高情報責任者たちは戦略的な実行を促進し、業務を合理化し、企業全体のパフォーマンスを向上させることができます。本ブログでは、ITと企業運用モデルの連携に関するガートナー(Gartner)のレポートで様々な視点を探っていきます。更に、最高情報責任者たちがビジネス効率を最適化するために考慮すべき重要な考え方に関しても説明していきます。

企業運用モデルの調和における最高情報責任者の役割

企業は、新しい戦略的目標を達成するために、企業向けビジネス運用(またはEOM)を継続的に変更しています。ただし、この調整は、古い運用モデルが適切でなくなった場合に問題が発生する可能性があります。最高情報責任者は、企業向け運用、ビジネス・ユニット(BU)固有の運用モデル、および企業全体の情報と技術の運用モデルとの関係を管理することにより、この問題に対処できます。

最高情報責任者だけでは、企業向け運用モデル(EOM)を変更してIT運用モデル(ITOM)との望ましい整合性を実現することができないため、最高情報責任者は経営幹部に関与して変化に影響を与え、調整する必要があります。最高情報責任者は、EOMの変更に影響を与え、調整することにより、IT部門が全体的なビジネス目標を効果的にサポートすることを確保できます。この連携は、技術がほぼ全部のビジネス成果を支えるのに不可欠です。最高情報責任者は、進化するビジネスニーズを応えるために、戦略的計画、技術者、リソース、人材といった要素を考慮し、ITOMを評価し、適応させなければなりません。ビジネス目標を効果的に達成するには、企業全体で運用モデルを統一することが不可欠です。

ITOMとEOMの相互効果

ITOMとEOMの統合と調整のレベルは、両者が協力して達成できる戦略的優先事項によって決められます。デジタルテクノロジーの提供が企業向けに調整されるようになると、最高情報責任者はITOMとEOMの関係を改善する機会を得ます。最高情報責任者は、EOMとITOMがお互いにどのように関連しているか、又はどのような影響を与えるかを理解することから開始できます。ITとEOM間のサポートと統合のレベルは、ITOMの現在の成熟度により異なります。

図1:ITOMとEOMとの関係

「事業経営者の考え方」は、ITOMの重要な要素を以下の設計原則に沿って調整します。

  • 技術中心の運用モデルの原則
    技術運用モデルの原則は、ITOMの中心として技術を提供することに集中することです。ITOMは、コアテクノロジーアーキテクチャを形成し、企業のビジネスモデルを維持することを計画しています。ITは、組織に技術資産を提供する「工場」と見なされています。例として、「技術を最適化して効率を向上させる」場合、IT部門はビジネスプロセスを最適化するための技術資産を作成します。.
  • サービス・製品中心の運用モデルの原則
    サービス・製品を中心にする原則は、ITサービスを技術主導のビジネス機能に開発し、製品管理の原則に従って管理することにより、EOMを最適化することに集中ています。ITチームとビジネスチーム間のコラボレーションは、ビジネス成果を達成するために不可欠です。運用モデルの原則の例としては、「品質と影響は、私たちが提供するサービスと製品にとって重要です」ということです。これには、供給者の考え方と規律が必要です。
  • 機能中心の運用モデルの原則
    EOMが戦略的な機会の活用に集中する場合、ITOMはEOMを変革し、より高いリスクと資金で新しい技術主導のビジネス機能を見出す必要があります。ITとビジネスの統合は、これらの機能を特定し、評価するために必須です。この統合により、運用モデルが変革され、個々のプログラムではなく共有のビジネス活動に重点が置かれ、企業全体での配布の機会が設けられます。重なる運用モデルにより、情報と技術はEOMのリソース、バリューストリーム、管理およびビジネスの要素を相互接続します。

ITは企業のビジネス能力に何に貢献するのでしょうか?

ビジネス機能は、EOMを通じて戦略と実行を橋渡しします。ビジネスとITのコラボレーションにが技術、データ、進化している機能を活用し、戦略の実行を強化します。戦略計画の実行が成功するかどうかは、技術、データ、ビジネス能力をどのように良く活用できるかにかかっています。これらの要素の活用により、望ましい結果と願望を達成します。

図2: ビジネス機能はビジネス構成の支点

ビジネス機能は、変化の原因にかかわらず、進化する要件に適応する必要があります。最高情報責任者は、ビジネス構成を通じて戦略的な進化を推進し、目標と実践する過程を一致させる重要な役割を果たしています。技術と運用がどのように交差するかを理解し、それに応じて企業の能力を高めることができます。これにより、現在と将来の事業運営に関する洞察が提供されるため、組織の方向性が強化されます。 

最高情報責任者がITOMによるEOMのサポート方法をさらに理解するために必要なすべて

ITOMがEOMをどのようにサポートしているかをさらに理解するために、最高情報責任者は次のことをする必要があります。

  • ビジネスアーキテクチャのプロセス、アクティビティ、モデルを後援し、向上させ、ビジネスモデル、戦略、およびエンタープライズオペレーション間の明確な繋がりを示すこと
  • 幹部リーダーやチームと連携し、企業ビジネス構成を管理し、サポートする役割の理解を深めること
  • 技術対策、データ、ビジネス構成をITOMの焦点として調整し、組織の統合的な全体像を提供すること
  • 将来のITOM(技術中心、サービス・製品中心、機能中心)の要件を特定し、組織の期待するビジネス成果を達成できるようにすること
  • ITOMの差を特定し、将来の状態に移行すること
  • 差を埋めるためのITOMを計画すること 

最高情報責任者のエンゲージメント戦術を拡大し、戦略的実行を成功に導く

企業の最適化により、最高情報責任者はIT運用にとどまらず、新たなリーダーシップの機会を得ています。運用効率とビジネスの成長を促進するデジタルの願望に集中し、最高経営責任者が「デジタル配当」を期待する中、最高情報責任者は成果重視の経営幹部の育成に焦点を移す必要があります。

情報と技術が企業目標を推進する中、最高情報責任者は従来のITの役割を超えた新たな機会に直面しています。ITパフォーマンスの価値を提供するために、リーダーシップを見直す必要があります。この変更は、最高情報責任者の役割を企業の目標に合わせ、実行とビジネス変革を成功させるための考え方と行動を変えることから始まります。

図3: Leadership Value Deliveryのよる最高情報責任者の4つプロフィール

運用モデル全体で影響力をさらに進化・拡大するために、最高情報責任者は以下のことをする必要があります。

  • 主要な利害関係者を特定して協力し、ビジネス機能をデジタル化し、戦略的な成果を達成するEOMの変更を実行する機会を伝え、影響を与えること
  • 自己啓発計画を策定し、最高情報責任者とITのリーダーの役割とスキルを向上させ、戦略の実行をさらに成功させること
  • 利害関係者への影響、個人的なコミュニケーション、ビジネス感覚、交渉の4つのスキルを習得すること
  • 最高情報責任者とIT部門がどのように認識されているかを戦略的に特定することにより、利害関係者を左右すること

まとめ

現在のデジタル環境では、デジタルデリバリーの民主化により、最高情報責任者と最高○○責任者の責任が大幅に拡大しています。両社がデジタル投資の説明責任を共有することで、ビジネス能力と成果を戦略的に実行する任務を負っています。企業が戦略目標を達成するために新製品やサービスや、変更された製品やサービスを追求するにつれ、IT部門と組織全体にわたって、異なるビジネス機能とリソースを先取りにに調整し、管理する必要性が生じます。

尚、技術によって推進された進行中の変革により、最高情報責任者の役割は拡大しており、複雑な統合の課題を乗り越え、ビジネスの成功にさらに直接的に貢献することが求められています。この進化している状況を効果的に乗り切るために、最高情報責任者は、デジタルデリバリの移行がIT運用モデルと企業戦略の統合に与える影響を評価する必要があります。

さらに、ビジネス構成を活用し、ビジネス機能の強化へのITの貢献を明確にし、戦略的実行を成功させる必要があります。

参照

Align the Enterprise and IT Operating Models for Business Impact

State of the CIO, 2022: Focus turns to IT fundamentals

Signature Series: CIO and Technology Executive Agenda for 2023

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